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2009年4月26日日曜日

コリアンスナップ その2

 初めて韓国・ソウルに行ったのが、20年以上前で、経済交流団の一員として出掛けたのだが、空港に着きバスに乗せられて、昼食時間に近い時間とは言え、いきなり宴会場に押し込まれた。その店がウナギの店で、なんでもその日はソウル市内で軍事演習か何かがある曜日で、昼の時間は外出禁止。宴会が進むにつれて焼酎の一気飲みがあちこちで始まる頃にも、外からはサイレンの音やスピーカーで何かを叫ぶ声が聞こえていた。
 そんな中で私が驚いて目が釘付けになったのは、網の上に横たわった大きなウナギの開き。少しずつ香ばしい匂いが漂ってくるその時!店のおばちゃんがバルタン星人みたいな感じで、演習の武器装備の代わりに使うのかと思わせるような大きなハサミを持ってやってきた!そして、おもむろに横たわるウナギを等間隔にちょん切っていったのだ。今ではもう慣れてしまったので、骨付きカルビやキムチはもちろん、冷麺だろうが牛の腸だろうが、長いものは何でも(この間は輪切りの大根のカクテキや韓国風お好み焼き「チヂミ」も切っていたな・・・)ハサミで切る国民だと言うことには驚かなくなって、反対に早くハサミを持ってきてと要求するようになったが、初めて見たときは驚きでしばらく放心状態だった。それも包丁で切るという常識の魚をハサミで・・・・
 その韓国風ウナギ網焼きに再会した。国際展示会場KINTEXのあるソウルの隣町高陽市の畑の真ん中にその店はあった。メニューには日本でもよく見るポリポリと酒のつまみにするウナギの骨と、ちょっと緑がかった飲み物「ウナギの肝の焼酎」が付いてきた。

コリアンスナップ その1

 韓国へはソウル、プサン、テグを中心に年に何度か出掛けるが、ソウルの街中からだと仁川(インチョン)空港より近い距離にある、北との国境付近には初めて出掛けた。
 かつて、西と東の存在するドイツに住んでいたとき、東ドイツの中にあるベルリンの街へ行くのに、東の国の荒涼とした風景の中、電車で移動したことがあり、金網越しに銃を持った兵士がたむろしていたりすると、それなりに緊張感があった。そんな感じをテポドンの国との国境付近に期待していたのだが、目的地の「臨津閣・自由の橋」と「都羅展望台」がなにせソウルからすぐ近くで、おまけに団体のバスのガイドのおばちゃんが「すぐそこが北国で・・・」「北国に住む人々・・・」などと「北国(きたぐに)」という表現を連発するので、千昌夫か吉幾三の顔がちらついたりして、ひたすらのんびりムード。
 北のあの人のやることだから、頻繁に規制や許可が入り乱れて、つい最近まで北の山に登ろうなどと韓国の取引先と話していたのに、今はそこまで行けなくなり、自由の橋を渡る線路を通って、ソウルからのツアー客のみ、専用の電車で板門店の手前まではいけるようだ。展示会視察のおまけで立ち寄った私たちは、観光客もまばらな展望台から川向こう距離にして500mも無いところの北の大地を、望遠鏡で覗くだけで「おっ!人が動いてる!畑仕事してる」などとはしゃいでしまった。それにしても、これだけ近い距離に首都のある韓国の人々は日々どう感じているのだろうか?「飛翔物体発射誤報!」などと慌てふためいている国民と違って、心が広いというか、最近激ヤセしたと言われるあの人がいる限り無理だとあきらめているのだろうか・・・・・