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2013年6月11日火曜日

ゲンゴロウに会いに『夜叉が池 (1100m)』

 
 6月9日 前の週、ぽかぽか陽気に誘われて、北陸自動車道今庄インターチェンジから広野ダムに向かう途中の「そば道場」に来ると、前に大きな看板が一つ。
「夜叉が池登山道は現在整備中のため入山できません」

「え~っ、こんなに良い天気が続いてるのに~!」
もしかしたら、そんな思いを抱いたのは私だけじゃなかったのかも。

一週間後の今回は上記の看板の代わりに
「そばまつり おろし蕎麦400円!午後2時まで」という看板。
すでに午前9時を過ぎていて、2時までじゃ今日は無理だなと思いながら先に進むと、登山口前駐車場の遙か手前から車がたくさん停まっていた。
この人達の半分は先週も来て悔しい思いをしたんじゃないかと思わせる。
そういえば昨年はゴールデンウイーク明けに登ったら、途中からしっかり雪道になり、たどり着いた池はすっぽり雪の中で、冷たい風にそそくさと下山したことを思い出した。
おまけにハイキング気分で普通の運動靴で登ってきた同行者を見て、たまたま居合わせた監視員おじさんに「何を考えているんだ!遭難したらどうするんだ!」とこっぴどく怒鳴られた。もっとも運動靴がしっかりしめってくるくらいの積雪だったから、軽く見ていた私たちが当然悪く、ひたすら平謝り。

さて、今日は過去のことは忘れて登るとするか、と登山口の鳥居を抜ける。
登山道から谷の川音の方をのぞき込むと、吸い込まれていきそうな一面の新緑。
川の流れも気持ちいい!
森林組合のパトロールのおじさん達が整備したのだろうか、川に架かる橋もしっかりしていて、
5人乗ったら落っこちてしまうのか・・・・などと思ったが、それよりも職業柄気になったのが、
「最大過重」じゃなく「最大荷重」じゃないのかな?
まあ、乗りすぎるな!の意思はこっちの方が近いか。

しばらく歩くと『岩谷のトチノキ』なる巨木が現れる。
 
「森の巨人たち100選」というタイトルは誰が付けたのか気になるが、秋に来るとこの下はトチの実がゴロゴロそこら中に転がっている。

だんだん登りがきつくなってきて残り1000m
緑ばかりの景色に花も見えてくる
尾根道が平坦いなってくると何だか騒がしい気配。
池には着いたもの、座る場所も無ければ、お昼を広げる場所もないほどの人、人、人の混雑で、
本来はこの鏡のような水面を眺めて、時折モリアオガエルが鳴く声に耳を澄ませるのだが、
今日は無理のようで、そそくさとロープで仕切られている木道を進み、池を回って、三周ヶ岳の方に向かう。


対岸には所々の木にモリアオガエルの卵がぶら下がっていて、池の中にはイモリたちがゆっくり動いている。
天然記念物でこの池にしか生息しない「ヤシャゲンゴロウ」の姿を探すと、正露丸くらいの大きさのゲンゴロウが腕をギコギコさせて泳いでいたが、小さすぎてロープのこちら側から写真には納められなかった。
池の脇にはこれはエンレイソウだろうか。
まだそれほど人が通らないせいか、藪だらけの細い道を進んで振り返ると、池の向こう側に一杯の人の声、反対側の谷からはモリアオガエルの合唱。

 梅雨入りしたというのにしばらく雨が降っていないせいか、木にぶら下がるモリアオガエルの卵はひからびてきていて、なかなかふかしてオタマジャクシになって池に落ちてこない、と森林組合のパトロールのおじさんは言っていた。
オタマジャクシが落ちてこないと、それをエサにしているイモリが空腹でやせてしまい、そのおこぼれや排泄物を栄養の糧にしているヤシャゲンゴロウも動きが鈍いようだとのこと。

一雨降ったら、この緑もきれいに輝き、小動物達も元気になり、ニッコウキスゲの花も咲いてくるのだろう。